「誰の心の中にも、もう一人の自分が住んでいる」
映画感想ブログ「ホラー映画ネタレバ」記念すべき第一回目の作品です!
ドンドンドン!パフパフ!
はいということで、スティーブン・キング原作、Netflixオリジナル映画「1922」を視聴しました!
以下、感想とあらすじ、結末です。
ネタバレを含むので、未視聴の人は要注意です。
映画「1922」あらすじ
1922年、ウィルフレッドは広大な農地で農夫として働く3人家族の父親だった。
妻のアルレットは田舎暮らしの農家を嫌がり、土地を売って都会に出たがっていた。
一人息子のヘンリーは、近所の娘シャノンと付き合っていたので、父と共に土地を売却して街に引っ越す事には反対していた。
大企業の弁護団をバックにつけて強硬手段に出てくる妻を、このまま農家に留まらせる事は不可能だと思ったウィルフレッドは、息子と共謀して妻を葬り去る決断をした…。
映画「1922」予告動画・キャスト
原作/スティーブン・キング
出演者/トーマス・ジェーン、モリー・パーカー、ディラン・シュミット、ニール・マクドノー、ケイリトン・バーナード、ボブ・フレイザー
映画「1922」ネタバレ感想
【個人的評価】★★★★☆
S・キング作品は原作小説も映画も半分以上はチェックしているんですが、この1922は原作も何も読んでいなかったので、真っ白な状態で視聴できました。
視聴後の感想結論を言うと、「陰惨で暗い話なのに、続きが気になって夢中になって観てしまう!」でした。

要するに、面白かったです。非常に。
父親が妻への殺人衝動に駆られ、一家が崩壊していく…というスティーブン・キング節全開って感じの作品で、じわじわと迫りくる悪夢と恐怖が絶品でした。
ホラージャンルで言うと「家もの」「呪い」系…なんでしょうかね。
忌み地で暮らす家族が、呪い(悪い決断)によって殺人事件を起こし、因果となって関係者全員が悲惨な人生を歩むことになる…というスリラー作品でしたね。
妻に対する憎しみの目が怖い
1930年、さびれた中年の男がホテルの一室で書記を始め、過去の告白をするところから話は始まる。
両親と一人息子の3人は、妻の先代から引き継いだ100エーカーの肥沃な土地で農業を営んでいた。
一家の父親ウィルフレッドは仕事に精を出していたが、妻のアルレットは都会暮らしに憧れ、田舎暮らしを嫌い、この土地を売ってオマハという街へ引っ越したいと愚痴を言う。
夫婦は意見が対立し、アルレットは離婚を切り出し、14歳の息子のヘンリーを引き連れて出ていくと主張する。
夫のウィルは土地を手放したくないし、ヘンリーを引き取られるのも嫌だ。
そこである考えが脳裏に浮かんだ。
ウィルは息子を利用して、妻を殺害する事を決意した。
「誰の心の中にも、もう一人の自分が住んでいる」
父親役のこのおっさんの演技が最高で。
じゅわっとした欧米人らしい水っぽいツバを吐くシーンが二度ほどあり、二発目のツバ吐きが微妙に失敗しているように見えて、自分にちょっとかかってね?みたいな部分とか(気のせい?)、リアルですごい面白かった。
殺意を表情や雰囲気で視聴者に伝える技術も、この役者さんのレベルの高さを伺えましたね。
妻に対する「殺意の眼」は普通に怖かった。
人殺してもその辺に埋めておけばバレないっしょ。みたいな大胆さとか、1922年の旧アメリカの農夫って、本当にこんな感じだったんじゃないか?って思わされました!
井戸でおぞましく眠る妻の亡骸…
井戸の下にあるパイプから、ネズミが出入りしているらしい。
この映画で一番絵的におぞましいシーンではないでしょうか。
口の中からもぞもぞと出てくるドブネズミが本当に気持ち悪い!
ドブネズミは色んな雑菌を保有していて、噛まれたら破傷風になる可能性があるので、絶対に手掴みをしようなんて思わない方がいいですね。
ドブネズミは気持ち悪いのに、ハムスターはなんで可愛いのか?
という議論をどこかで読んだことがあります。
その答えは、「シッポの長さ」にあるようです。
ハムスターのシッポは小指の第一関節みたいに、ちょこんと生えているのに対し、ドブネズミのシッポはビョ〜ンと長く生えているのです。
あのシッポがキモイ…と感じさせるようです。
まあ、ドブネズミが好きでかわいいと思っている人もいるとは思いますが…。
牛がかわいそうだった
牛を井戸に突き落とすシーンも、絵的にインパクトがあって面白かった。
ってうか牛がかわいそうで、観ていて辛い…。
普段、牛丼とか食ってるのできれい事かもしれないけど、家畜動物を痛めつけて殺すのはやはり心苦しく感じますね。

人間が死ぬシーンより、動物が殺されるシーンの方がなんだか苦しく感じるのはなぜだろう。
っていうか、妻の死体の上に牛の死体を被せる?というのが、いまいちピンときませんでした。
さっさと土埋めればいーじゃん!って思ったんだけど、何か理由があるんですかね?
終盤の好きなシーン
個人的に一番好きなシーンは、妻の怨霊が大群のネズミと共に現れ、ウィルフレッドに近づき、耳元でささやくシーン。
ジワジワと妻が近づいて来る。
ウィルフレッドは心が折れて、へたりこむ。
しかし妻はウィルを殺さない。
むしろ言葉責めでウィルを精神的に苦しめる。
普通のパターンだと、妻の幽霊に絞め殺されたりするんだろうけど、まさかの言葉責め。
不気味なんだけど、どこかファニー。そうきたか!と。
自分の息子の悲惨な最後を語られるという、絶望感を与えて嫌がらせをするという悪魔の所業。
もういっそのこと、俺を殺してくれ!と願うウィルフレッドの気持ちもわかる気がしましたよ。

わかりたくないけど。
スティーブン・キング原作「1922」補足
こちらが本作の原作小説です。
「1922」「公正な取引」の二編が収録された中短編です。
家族崩壊系&父親がやばくなっていく系のホラーといえば、キングの代表作の一つである「シャイニング」でしょう!
観ていない人はぜひ一度視聴してみてください。
▼今も色褪せない名作ホラー映画です!
同じく、親父が狂っていくパターンの映画は「オキュラス/怨霊鏡」ですね!
参考▶映画「オキュラス 怨霊鏡」感想・あらすじ・ネタバレ。続編は?
まとめ
キング作品は前半が冗長なものが多く、映画化された作品はいまいちなものが多い印象。
今作も映画版はあまり期待していなかったけど、予想を裏切る傑作でした!
映像クオリティも高いし、観ていて飽きないテンポの良さ。
人間の心の闇を描いた、秀逸なダークスリラー作品でした!
本作はNetflix限定公開作品なので、そちらでご視聴ください!
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