「女はふしだらであるべきではなく、金持ちは自分たちの所業を知るべきだ」
韓国版サイコ・サスペンス映画「チェイサー」(2008)をAmazon Prime Videoで視聴しました。
プライムで無料視聴できなかったので、有料で金払って観ましたよ。ええ。(今現在の話になりますが、iPadだとなぜか観れず、PCだと視聴できました)
チェーンソーマンの作者、藤本タツキ先生が影響を受けたと語っていたので気になって視聴しました。
本作は韓国で実際に起きた「ソウル20人連続殺人事件(犯人ユ・ヨンチョル)」を題材にした作品です。
とにかく話の展開が読めず、「え〜〜!?」となること必須!
事実は小説より奇なりという言葉が当てはまるとんでもない映画でした…。

いや〜本当に面白かったです。この映画
韓国映画「チェイサー」あらすじ
元刑事のオム・ジュンホ(キム・ユンソク)が経営するデリバリーヘルスで、ヘルス嬢が次々と失踪するという事件が起きる。ジュンホは彼女たちに渡した高額な手付金を取り戻すため捜索を開始する。 やがて、出勤したキム・ミジン(ソ・ヨンヒ)の客の電話番号が、それまでに失踪した嬢たちが最後に仕事をした相手と一致していることが発覚。ジュンホは単身、男の自宅へ向かっているというミジンのもとへ急ぐ。(wikiより)
韓国映画「チェイサー」トレーラー&キャスト
【脚本】ナ・ホンジン、 ホン・ウォンチャン、 イ・シンホ
【キャスト】キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ソ・ヨンヒ
韓国映画「チェイサー」ネタバレ感想
以下、完全ネタバレを含みますのでご注意を。
作品の評価は…

★★★★★です。
犯罪・サイコ・サスペンスは完全に僕好みってのもありますけど。
普段、韓国の映画をそんなに観る機会はないのですが、やっぱり面白いですよね。
エンタメ力が半端ないっす。
話の展開が読めない
この映画を観ていて思ったことの一つとして、「話の展開が読めない」というものがあります。
デリヘルの元締めをしている元刑事のジュンホが、失踪したデリヘル嬢ミジンの行方を追います。
ああ、この映画は犯人を探し出し、ミジンを救い出す映画なのね…と無意識的にそう思い込んでいました。
ところがどっこい。
犯人はあっさりと逮捕されてしまいます。

おいおい…これじゃあ話が終わりじゃん!っていうことは、犯人は黙秘を続けるのか?…
と思いきや、
今度は犯人自ら26人殺したと自供します。

おいおい!もう逮捕して自供までしてるんだからこれで完全に終わりじゃん!
…と思いきや、
犯人はなぜか釈放されてしまいます。

嘘だろ〜!?
そして犯人をボコボコにしたジュンホが逮捕されてしまいます。
悲劇でもあり喜劇でもあり、そんなことありえるのか?と思いますよね。
そして更に、釈放された犯人がタバコを買いに雑貨屋へ行くと、瀕死の状態で逃げ出したミジンと偶然再会し、、、
ミジンはハンマーで殺害されてしまいます。

死んじゃうんかい!助からんのかい!
正直この辺は偶然が重なりすぎたり、ご都合主義的なものを感じましたが、警察の拘束を振り切ったジュンホがなんとか犯人の居場所を突き止めます。
水槽の中に沈むミジンの首を見てショックを受けたジュンホは、犯人ともみ合いになるが何とか撃退し、犯人逮捕に至ります。
想像の斜め上を行く展開とはまさにこのこと。
どうしてこんな話を思いついたんだ!?と思ったのですが、犯人が釈放されたりしたのは実際に起きた話らしいんですよね。
事実というのはセオリー通りにはいかず、創作では太刀打ちできない領域のストーリーを生み出します。

創作怪談よりも、実話怪談の方が恐いみたいな。
警察の失態がもどかしい
この映画を観た人ならほとんどみんな思ったでしょうが、とにかく警察がポンコツすぎるw
せっかく犯人を捕まえたのに、証拠がないとか、犯人はでたらめを言っているとか、そんな理由であっさりと釈放してしまったり。
釈放した犯人を追跡しているのに、雑貨屋で犯人が殺人を起こしてしまったり。
その結果、助かったかもしれないミジンが憐れにも殺害されてしまいます。
こうゆうところに視聴者はハラハラし、もどかしく感じたと思います。

とはいえこうゆうサスペンス作りが上手くて、制作陣の手腕に脱帽しましたよ。
悲しみの演技が秀逸
病気だろうが仕事をしろと命令したりミジンをただの商売道具程度にしか思っていなかったジュンホですが、ミジンの7歳の娘の世話をしていくうちに情がわいてしまい、この子のためにミジンを必死で探そうとします。
結果は無残な形で終わってしまったのですが、タバコの煙をくゆらし、雨の中立ちすくむジュンホの姿に心を打たれます。
そして、捜査の途中で母の死を悟った娘が、叩きつけるような雨が降る車内で大泣きします。
その泣き声は雨の音にかき消されてこちらには聞こえてきません。
雨=悲しみというメタファーもいいですが、声を聞こえないようにした演出は素晴らしく、余計に心に響きました。

今思い出しても泣ける……
韓国映画「チェイサー」まとめ&余談
藤本タツキ先生も、チェイサーみたいに先の読めないものを作りたいと言っていました。
実際、チェーンソーマンやファイアパンチも先が読めない怪作だと思います。
好きな作品の優れたところを、自作に持ってきて表現できるというのは凄いことだと思います。
ちなみに、映画「ヘルボーイ」はチェーンソーマンの世界観に大きな影響を及ぼしていると思われます。
こちらも参考までにどうぞ。
▶映画「ヘルボーイ」ネタバレ感想★チェーンソーマンのコウモリの悪魔?デザイン画集も紹介
ソウル20人連続殺人事件
「ソウル20人連続殺人事件」についても書こうかなと思ったんですが、それを書いたらけっこうなボリュームの記事になってしまいそうだったので省略しました。
サラッとだけ説明すると、犯人にはなんと一人息子がおり、溺愛していたようです。
容疑者ユ・ヨンチョルは女をハンマーで殺し、その肉や内臓を食し、吊るし、解体し、弄んでいました。
同じ感情を持つ人間とは思えない鬼畜的所業を犯した彼ですが、女性の遺体をバラバラに解体している作業中に、息子から電話があり、
「お父さん、風邪なの?」と言われ、心底ゾッとしたと後々語っています。
彼は生まれた時からずっと…邪悪な風邪をひいていたのかもしれません。
この事件を機に、サイコパスという言葉と存在が韓国で浸透したと言われています。
サイコパスといえば、拙いながらも僕も漫画を描いています。
よろしかったら読んでみてください。
PRIDE.15のヒース・ヒーリングvsマーク・ケアー
余談ですが、坊主頭の弟分が観ている格闘技の試合は、PRIDE.15のヒース・ヒーリングvsマーク・ケアーの試合ですね。
この当時のPRIDEの熱狂はすごかったからなあ…。
きっと韓国でも流行っていたんですね。
韓国映画「チェイサー」の動画は無料で観れる?
今現在の話になりますが、チェイサーはAmazon prime videoで視聴できます。
Netflixなどサブスクで公開されないかな〜と思っていたのですが、なかなかそんな日はやって来なそうです。
なのでアマプラで小銭を払って視聴するのがおすすめです。
記事冒頭でも描きましたが、なぜかiPad(もしかしたらスマホも)では視聴できませんでした。
PCのブラウザだとお金を払って視聴することができました。
有料版もいつ見れなくなるのかわからないので、思い立った今行動しましょう!
オンライン視聴が不可能になった場合はDVDやBlue-rayで視聴しましょう。
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