「キモいってどうゆうことぉ?」
短編オムニバスホラー映画「ヒトコワ-ほんとに怖いのは人間-」をAmazon Prime Videoで視聴しました。
タイトルの通り、サイコパス、ストーカー、変質者、異常者など人間の怖さを描いたホラー作品で、全5話からなる短編映画ですね。
シリーズは全部で3作品あって、本作は1作目になります。
二・三作目の感想はこちら
▶映画「ヒトコワ2-本当に怖いのは人間-」ネタバレ感想★タイトルでオチが読めるのが残念
▶映画「ヒトコワ3-本当に怖いのは人間-」ネタバレ感想★森川葵がカワイイけどつっこみどころ満載
この手の作品はハズレや駄作が多い傾向にありますが、この作品はけっこうクオリティも安定していて普通に楽しかったです!
ホラー映画「ヒトコワ-ほんとに怖いのは人間-」トレーラー&キャスト
【脚本】児玉和土、猪原健太
【キャスト】飛鳥凛、早織、岡本杏理、川久保拓司、宇野愛海
ホラー映画「ヒトコワ-ほんとに怖いのは人間-」ネタバレ感想
以下、完全ネタバレを含みますのでご注意を。
作品全体の評価は…

★★★☆☆です。
各話毎のあらすじと感想を述べていきます。
知ってはいけない友達の秘密
マミは友達のA子の家に酒を持って遊びに行く。
しかしA子は彼氏のシンヤ君と別れて傷心状態であった。
そんなA子を慰めつつ、一緒に酒を飲み盛り上がる二人。
マミがトイレに行っている間にA子は酒を買いにコンビニに行ってしまう。
その時偶然、マミは探偵が盗撮した写真を発見する。
写真には、マミとシンヤ君の浮気現場が写されていた。
マミはすぐにシンヤに電話をするが、なぜか風呂場から着信バイブ音が聞こえる。
マミは風呂場に行くと、湯船にシンヤ君のバラバラ死体があるのを発見。
その瞬間、A子が帰宅。
「今夜は帰さないよ」
A子の持つビニール袋の中には、大量の包丁が入っていた。
観る前はちょっと不安だったけど、思っていたより演技は上手で安心しました。
シナリオに関しては短編だから強引な部分はあるけど、個人的にはよくできていると思いました。
短い話にまとめるのって大変なんですよね。
苦言を呈すると、マミとシンヤ君の浮気写真を見て「誰?この女の人?」となり、浮気相手が親友のマミだったというネタばらしがわかりにくかったです。

僕がバカなだけでしょうか…
髪型は今と同じにした方が分かりやすかった気もするが、何か特別な理由があったのだろうか
シンヤ君の遺体はけっこうグロかったですね〜。
送り◯チガイ
女子高生のサチは好意を寄せるヨシキとメアド交換をする。
しばらくメールでやりとりし、後日二人でデートをする約束をする。
デート当日、ヨシキは待ち合わせ場所にやってこない。
不審に思ったサチはヨシキに直接電話して確認してみると、メアドを赤の他人に送信していたことに気付く。
では一体、サチは誰とメールしていたというのか。
その後、不穏なメールがサチの元に届く。
送信していた相手が誰なのかわからないままサチは帰宅する。
お風呂に入っていた間、友達のヒロコからの着信があった事に気づき折り返し連絡をする。
ヒロコはサチの兄からお風呂に入っていると伝えられたという。
サチには兄などいない。では一体誰が電話に出たのか?
サチの背後に侵入者の影が。
「グサッグサッ」
サチは男に惨殺されてしまう。
まず最初に思ったのは…

サチの女子高生コスプレ感がすごい
ということです。
まあどうでもいいんですが…。
送り間違いをしていた相手が、キ○ガイの異常者で、メールの内容も乱暴なものになっていく。
犯人は待ち合わせ場所付近にいて、こちらを監視されて事に気付くサチ。
この辺のサスペンス感がよかったです。
片一方がスマホで、片一方がガラケーという、ガラケーからスマホへの転換期が懐かしいですね。
間違えて送信したメールの相手が、たまたまサイコパスの精神異常者だったという、偶然に偶然を重ねた悲劇。
僕がこの作品を観たのも偶然なので、これはもう運命といったほうがいいのかもしれない。
親の顔が見たい
(すいません。主人公の名前忘れました。仮にB子ちゃんとしましょうか)
B子ちゃんの住むマンションの上階に幼い兄妹が住んでいる。
B子は通学のため外に出ると、上階からペットボトルを落としてくる兄妹。
それを注意すると「うるせえババア!」と罵られる。
放課後、自宅にやって来た友達にその事を話して相談に乗ってもらう。
まったく親の顔が見たいよ…とB子に同情する友人。
すると、上の階から鉢植えが落下し、バルコニーにいた友人の頭に直撃。
その衝撃で下に落下してしまう。
友人の元に駆けつけたB子が上を見上げると…
バルコニーにあの子供たちの両親がこちらを見つめていた。
親の顔を見てみたい。本当に親の顔を見た時にはころされてしまっていた…という皮肉な作品。
子供たちの雰囲気が地味に怖く、両親も不気味でした。
薄暗いメイクがそう感じさせたのかな?
子供達の毛量の多さにも異様さを感じさせられました。

なんじゃそりゃ
かなり短い内容だったけど、主演の子の自然な演技が上手で素晴らしいな〜と。
とてもいい役者さんになりそうですね。
性質の悪いホラーな幼子が、伊藤潤二の初期の作品を彷彿とさせるものがありました。
そう感じたのは僕だけだと思いますが…。
自分の名前を検索してみたら
麻子は怖くて自分の名前を検索したくないという。帰宅後、ふとした拍子にネットでエゴサーチする麻子。するとYouTubeに麻子の下着をつけた変態男の自慰動画がアップされていた。そして動画の撮影場所はなんと自分の部屋の中であった。
気持ち悪い!と友達に連絡する麻子。
その瞬間、背後から動画の男の生の声が聞こえる。
押し入れから変態男が出てきて麻子に詰め寄る。
「キモいってどうゆうことぉ?」
YouTubeに100本以上の変態動画をアップしていたらしいが、普通に考えたらとっくにBANされて公開なんてできないだろう。っていうか動画を公開する意図がよくわからんw
まあそこは置いといて、手狭なアパートの一室の押入れに大の男が何十日も隠れて暮らしていたというのはちょっと無理がある。(予算の問題で泣く泣くアパートにしたのかもしれないけど)
この話が幽霊オチだったらわかるが、ヒトコワでこのオチはちょっと力技すぎるし、ちょっと凡庸だったような。
どうでもいいけど、あの変態男のシーンは楽しんで撮影したんだろうなあという気がした。

右手の動きが甘いんだよ!もっとこう、上下に……
あの世からの電話
片桐が喫茶店でくつろいでいると、旧友の加藤に偶然出会う。
昔話で盛り上がり、連絡先を交換しようとするが、加藤は電話を持っていないという。
その理由とは。
加藤は語り始める。
ある日、加藤が無職でフラフラしていると電話の着信音が聞こえた。
その音は公園に捨てられていた携帯電話から鳴っていた。
電話に出ると相手はユキオと名乗り、横柄な態度なので切ろうするが電話を家に届けて欲しいという。
ユキオの家に行くとそこに母親がいた。
母親にはユキオの声が聞こえず、加藤だけが聞こえるようだ。
ユキオに言われるがまま土手へ行くと、土の底に埋められたユキオの遺体を発見する。
それ以来、加藤はあの世のものから電話連絡が来るようになってしまったというのだ。
片桐は加藤の話を聞き終えると、遅れてやってきた彼女を紹介する。
片桐はバツイチだが新しい彼女ができたらしい。
すると彼女の携帯から無言電話が。
加藤はその電話に出る。
電話の相手は片桐の元嫁で、加藤に何か伝言を伝えた。
「私は片桐に殺されて埋められた」
ヒトコワじゃなくて幽霊話?と思いきや、オチでしっかりとヒトコワに持っていったという面白い作品でした。
全五話の中で一番話のボリュームがあって、話で見せる内容だったように思います。
加藤はなぜ突然、電話からあの世の声が聞こえるようになったのか。少しだけでもいいので描いてほしかったかな。
お母さんはこんなウサンくさい若造の話を信じて、二人きりで夜の土手に行くというのはどうだろう…と思ったが、オレオレ詐欺に引っかかってしまうように、相手を信じ切ってしまう純真な人もこの世にいるからさもありなん。
片桐の人相の悪さや、主演の加藤さんも味があっていい感じでした。
ホラー映画「ヒトコワ-ほんとに怖いのは人間-」まとめ
なんやかんやで一番怖いのは、第一話の親友の彼氏とこっそり浮気していたマミだと思います。
友だち想いの良い人間を演じつつ、裏では親友を裏切る行為を平然と行っているというサイコパスっぷり。
こうゆう二面性のある人間は現実にもたくさんいるのではないでしょうか。
一番怖いのは女ってことだ!
他の人のレビューを見ると、現実的じゃないからつまらない、くだらない、的な事を書いて☆一つの評価をしている人がいました。
まあ何となく言っていることはわかるけど、さすがに☆一つは無いでしょう。
感情的な評価になっていて、客観性に欠けたレビューだと思いました。
役者さんたちの演技は上手いし、映像やアングルもキレイだし、飽きがこないシンプルなシナリオも編集も素晴らしいと思いますし。
傑作とまではいきませんが、普通に楽しい良作だと思います。
低予算での撮影と、短編オムニバス映画という企画、この2つの要素を組み合わせたらそりゃあ当然このくらいの作品になると思いますよ。
同じ条件でこれ以上のものを作れ!というのはけっこう酷でしょう。
と、なぜか今回は制作側の視点での感想になってしまいました。
和製短編ホラーが好きな方は、以前視聴したこちらの作品もおすすめです。
▶映画「奇々怪々譚 醒めない悪夢の物語」★ネタバレ&全話の感想★泣きあり笑いあり
ホラー映画「ヒトコワ-ほんとに怖いのは人間-」はアマプラで視聴できます。
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