「この先、日本國憲法通用せズ」
呪怨の清水崇監督最新作で怖い怖いと評判の「犬鳴村」を映画館で観てきました!
観客は若者が多い印象で、みんなポップコーンを食っていましたね〜。
ポップコーン臭が漂う中、おっさん一人で良質な和製ホラー映画を堪能してきました。

一口食わせろ!
以下、拙い感想と解説【ネタバレ】になります。
映画「犬鳴村」あらすじ【ネタバレやや含む】
ある日の夜、地元の若者カップル(悠真・明菜)が、トンネルの先にある犬鳴村を探索し怪異に遭う。
それを機に明菜は豹変してしまう。
霊が見えてしまう臨床心理士・奏は、兄の悠真から相談を受けるが、明菜は謎の死を遂げる。
原因究明をするために犬鳴トンネルに向かう一行。
やがて彼らは身の毛もよだつ恐ろしい体験をすることになり、犬鳴村で起きた陰惨な過去を知る事になる。
予告動画・キャスト
脚本●清水崇/保坂大輔
キャスト●
森田奏:三吉彩花
森田悠真:坂東龍汰
西田明菜:大谷凜香
成宮健司:古川毅(SUPER★DRAGON)
籠井摩耶:宮野陽名
優子:奥菜恵
圭祐:須賀貴匡
遼太郎:笹本旭
田中健
森田康太:海津陽
山野辺:寺田農
中村隼人:石橋蓮司
森田晃:高嶋政伸
森田綾乃:高島礼子
映画「犬鳴村」感想・評価
【個人的評価】★★★☆☆

星2.9くらいでしょうか。
相変わらず偉そうなことを書いていますが、ご容赦ください。
正直、あまり期待していなかった分、けっこう楽しめました。
期待していなかったというのは、清水崇監督作品は呪怨ビデオ版の1作目以降、パワーダウンしている印象があるからです。
世界的に評価を受けたという、呪怨劇場版も、個人的にそこまで昂ぶるものはありませんでした。
今回の犬鳴村はプロットがきれいにまとまっているように思いましたが、恐怖演出があまり怖くなくて(過去作品が恐すぎた?)、やや中途半端なものに感じました。
でもこれは、実在する心霊スポットを舞台にしているという点が関係しているのかも。

過剰な演出にすると嘘っぽくなり、リアリティを失ってしまうという理由から来るものなのかもしれません。
退屈に感じる理由は、上記の通りなのではないでしょうか。
個人的に清水監督に求めているものは、突き抜けすぎて笑いになってしまっているくらいの狂気的な恐怖演出なんですけどね。
監督としては一度やったことだし、そうゆうのは飽きてしまっているのかな。
昔ヒット曲を出したバンドに、またあの曲みたいなの作ってよ!って言っているようなものなので、そう考えると自分の考えは浅はかだよな。
素人意見になってしまいますが、ちょっと惜しい!もっとパンチ効いたのが観たかった!って感じですけど、総合的に見て、強引な部分やつっこみどころもありつつも、上手くまとまっていて面白かったかなと言えます。
ホラーライト層→退屈だった
映画マニア→今までのホラー映画にない斬新な映像手法が素晴らしかった

というようなリアクションになるのではないかと予想しています。
「犬鳴村」解説・よかったところ【ネタバレ超含む】
明菜(大谷凜香)のおしっこシーン
明菜が立った状態で、足元に水分がドバドバと滴り落ちる。
「え?この子立ちションしてんの!?」と思わせ、カメラが上にゆっくりと移動し、実は飲み水を垂らしていたというドッキリ演出。
実はこれは伏線で。
その後、亡霊に取り憑かれた明菜は、気が狂ったようになり、悠真の自宅の庭でガチ立ちションしてしまうという。
なんじゃそりゃって感じですが。
今まさにこれを書いていて、改めてなんじゃそりゃって思いました。

でもこうゆう遊び心は好きです。
そんな明菜もその後、紐なしバンジーをして……。
犬鳴村はホラーゲーム「SIREN」が元ネタ?
監督はミステリー作家の横溝正史作品をイメージして脚本を書いたそうですが、僕はホラーゲームSIRENを彷彿とさせるものを感じました。
SIRENは都市伝説である杉沢村・犬鳴村がモデルになっているといわれています。
実際は埼玉県秩父市にある『岳集落』と言う集落が舞台モデルとなっていますが。
つまり、犬鳴村がSIRENをモチーフにしているのではなく、SIRENが犬鳴村をモチーフにしているということです。

先に言えや。
僕はゲーム世代で、SIRENの影響も強く受けているというのもあります。
イメージというのは、地方の盟主のような権力を持った大きな一族がいて、その下にいる貧しい村人が悲惨な目に遭い、怨念がもとになって殺人事件が勃発し…みたいな昭和のミステリー的な世界ですね。
SIRENも横溝正史作品からインスパイアされているので、まあどちらを感じてもおかしくないわけです。
長いことゲームはやっていないけど、もしSIRENの新作が出るのなら、ハードごと買ってしまうかもしれない…。っていうくらい好きです。
結末前の兄の遺骸を確認するシーンは稲川淳二の怪談が元ネタ?
他のレビューではマイナスポイントとして挙げられていましたが、僕はけっこう好きだったシーンです。
それはラスト手前で兄の遺体を警察署で確認するシーン。
主人公である妹が兄の遺体を確認しようと、かけられたシートをどかそうとするが、警察に引き止められる。
兄の体から下の部分がいやに嵩張っている。
シートをどかすとそこには…
ここは怪談好きな人なら楽しめるんじゃないかなあと思ったんですけどね。
稲川淳二の怪談で有名な「長い遺体」を彷彿とさせるものがありました。
しかしその遺体は異様に長く、数メートルくらいの長さになっている。
シートをどかしてみると、友人の下半身には老婆の水死体が絡みついていた。
…という怪談です。(ちょっと内容違うかも)
でも本作ではまあ「あ…そうゆうこと…」みたいな特にひねりのないオチでしたけど。
とはいえ、怪談ネタをここで挟んでもらえるのは、ホラーファンとして何だか嬉しかった。
深夜2時なると鳴る、犬鳴トンネル前の電話ボックス
悠真の後輩3人組がとてもいい演技で楽しませてくれました。
電話ボックスの中で溺死するというアイデアは素晴らしいですね。

隙間から水が漏れるはずだろというツッコミは抜きで。
それはまあさておき、東京都八王子にある八王子城跡の近くにある電話ボックスも、心霊スポットとして有名です。
深夜に佇む電話ボックスって、なんか不気味なんですよね。
そこで八王子城跡といえば、僕が描いたホラー漫画を思い出したので、宣伝がてらここにリンクを貼っておきます。
八王子城の呪いを元ネタにしたショートホラー漫画「赤信号」です。
「犬鳴村」解説・つまらなく感じたところ
つまらないと言うとちょっと言葉が悪いですが、個人的に惜しかったなあと感じたところです。
摩耶がトンネルで犬と同化するシーン
過去の犬鳴村で、犬と交わって赤ん坊を生んだ摩耶が、奏たちを追いかけてくるシーンです。
トンネルの中で摩耶に追いつかれた兄弟3人。
すると摩耶がグギグギと体の関節を鳴らして、じわりじわりとこちらに歩み寄ってきます。
この時、伽椰子キター!!!とちょっと期待したんですが、特にそれ以上の変化もなく、いまいち怖くなかった。
もっとインパクト強めのグチョグチョのガチャガチャにして欲しかった。

でも改めてもう一度観たら、これはこれで良かったと思える日が来るかも。
逃げずに棒立ちする姉(奏)と弟(康太)にイライラ
再びですが、半犬化した摩耶に追われるシーン。
兄弟三人で逃げ出す。
逃げ切れる余裕があるのになぜか兄貴の悠真が犠牲になる。
そして、俺のことはいいから早くいけ!と命をかけて奏と康太の二人を守っているのに、え?え?と二人は棒立ちして兄を見守っている。

はよ行けや!!
このシーンにイライラした人は多いのではないでしょうか?
まとめ
- 明菜(大谷凜香)のおしっこシーンが伏線になっている
- 犬鳴村はSIRENの元ネタ
- 悠真の長い遺体は稲川淳二の怪談か?
- 摩耶の犬化シーンはちょっと惜しかった
- 奏と康太の姉弟の棒立ちシーンにイライラ
まだまだ書きたいことはあったのですが、今回はこの辺で。
このブログで邦画ホラーを扱うのはこの作品が一番最初になります。
そうゆう意味でも、思い出深い作品となりそうです。
映画はやっぱり劇場で観るのが一番ですね!
それではまた次回に。
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