「どうしようもない窮地になると、人間は座り込んで最後の瞬間を待とうとする」
ホラーファンの間で評価の高いホラー映画「イット・フォローズ」(原題:It Follows、2014年アメリカ)をAmazon Primeで視聴しました!
わかりやすいエンタメ系作品とは真逆の、抽象的な内容の作品でした。(低予算だからそうせざるを得なかっただけなのかもしれないが…)
要するにちょっと難解で、作品の裏側に答えが隠されているようなカルト系の映画ですね。
視聴後、何となく意味が分かったような分からないような…。

モヤモヤしたので考察の上手な人のブログを読んでやっと理解できました。
以下、大まかなあらすじと、ネタバレを含む感想になります。
【ネタバレ】「イット・フォローズ」あらすじ
ネタバレを含むあらすじになります。
19歳の女子大学生ジェイは、ヒューというボーイフレンドとデートをした時に「It(それ)」に襲われるという謎の能力に感染させられる。
ソレに感染すると、感染者以外には見えない「ソレ」に無残に殺されてしまう。
「ソレ」は普通の人間の姿(なぜか下着姿)をしていて、突然ゆっくりと歩いてこちらにやって来るため、走ったり乗り物になったりして逃げ続けなければならなくなる。
だが誰かと性行為をすることで感染は解除されて、「ソレ」は相手に感染する。
しかし、その感染者が殺されてしまうと、再び自分が感染者となってしまう。
というルール。
ジェイは妹や幼馴染みたちと一緒に逃げ続けるが、じわじわと精神的に追い詰められていく。
近所に住む色男のグレッグはジェイを守るために性行為をして感染。
しかしグレッグはソレに殺されてしまう。
追い込まれたジェイたちはソレをプールにおびき寄せて、ソレを撃退する。
だが「ソレ」が消えることはなく、ずっと見え続けるのだった。
幼なじみのポールはジェイに対する好意を伝え、二人は結ばれる。
感染者となったジェイとポールは、手を繋いで外を歩く。
後ろには「ソレ」がついてきているが、気にもせず前を向いて歩き続ける。
予告動画・キャスト・配信サイト
デヴィッド・ロバート・ミッチェル
【キャスト】
ジェイ(マイカ・モンロー)
ポール(キーア・ギルクリスト)
グレッグ(ダニエル・ゾヴァット)
ヒュー(ジェイク・ウィアリー)
ヤラ(オリヴィア・ルッカルディ)
ケリー(リリー・セーペ)
僕はAmazon Primeで視聴しました!
映画「イット・フォローズ」感想(ネタバレ注意)
【個人的評価】★★★☆☆

★3.2…くらいですかね。
正直、最初観た時は半分くらいしか理解できていませんでした。
色々なレビューを拝見して、やっと作品の本質が見えてきて、じわりじわりと自分の中での評価が上がっていった…タイプの作品でした。
個人的な感想と、ゆるゆるですけども自分なりの解釈を伝えたいと思います。
イットは社会に対する不安?
考察系のブログをチェックしたところ、「ソレ」というのは死を意味している。との説があるようです。
時間は止められないけど、じわりじわりとソレはやって来る。
この考えはとても納得できました。
僕が考えていたのは、「ソレ」とは若者が抱く、社会に対する不安を表しているのでは?ということでした。
主人公達は19歳くらいで、精神的にはまだ大人とは言えない微妙な年齢です。
これから社会に出て、仕事をしたり、色々な人と出会ったりする上で、様々な苦悩や恐怖、不安などの困難が巡ってきます。
そういった将来や社会不安みたいなものを、「ソレ」という自分にしか見えない恐怖で表現しているのかな〜なんて。
そしてソレから逃げたり、戦ったり、異性と関係を持ったりして、色んな人間関係を構築したり…。
彼らが大人になる過程を描いているのかな?とか思っていたんですけどね。
根拠としては、まず主要キャラクターに「大人」が出てこないということ。
そして、キャラクターのほぼ全員が「親」と不仲だったりすること。
この二つがキーとなって、

これは子供が大人になって、社会へ向けて自立する話なのか!
と勝手に解釈していたのですが、ちょっと微妙な気がしてきた…。
IT(ソレ)の正体とは
ゾンビでもなく、幽霊でもなく、宇宙人でもなく…
下着姿の普通の人間で、てくてくと歩きながら感染者に襲いかかってくるという謎の存在。
これはただ単純に、予算が無くて「もう下着姿の普通の人間」でいっちゃえ!
下着姿の精神病患者みたいな人が外をぶらついてたらなんか怖くね?
…みたいな開き直りで撮影したんじゃないのか?
それが功を奏して、逆に謎が深まり、カルト作品として成功したのでは?
と勘ぐってしまいました。
もしこの下着姿に意味があるのなら、ぜひ教えてもらいたいです。
映像は静かで美しく、不穏なBGMが脳をかき乱す
映像がとても美しくて、音楽のPVを観ているようなすっきりとした雰囲気です。
どこかおしゃれで、センスいいな〜なんて感じながら観ていました。
BGMも冒頭から飛ばしていて、めっちゃかっこいいですよね。

ズン、ズン、ズン♪
と緊張感を煽って脳みその中をかき乱すような。
こうゆう美的センスの高さは僕の中でも高評価でした!
イット・フォローズに雰囲気が似ている映画作品
イット・フォローズって不思議な雰囲気が漂う作品なのですが、視聴している時に「ボーグマン」と「ゴーストワールド」をふと思い出しました。
「ボーグマン」は宇宙人?のような男達がある家庭に入り込み、だんだん家族たちがおかしくなっていく…という内容です。
答えは提示しないので、見た後に「アイツらは何だったんだ」と不可思議な気持ちになるという。
この映画もカルト作品で、僕の好きな映画です。
「ゴーストワールド」は映画好きな人なら知っていると思います。
僕は原作漫画のダニエル・クロウズが好きなので、日本語翻訳版のコミックスも持っています。
内容はどこかアンニュイで退廃感漂う青春ストーリー。
若者の気だるい日常、将来のことや異性、人間関係の悩みなど、どこか雰囲気がイット・フォローズに似ているなあと感じました。
まとめ
- イット(それ)とは社会に対する若者の不安か?
- 「それ」の正体とは
- 映像は美しく、BGMは脳をかき乱す
イット・フォローズは映画通の間では軒並み高評価な作品です。
僕個人としての評価は…

まあ…それなりに面白かったかな…
くらいでした。
新しいカタチのモンスター、美しい映像とBGM、謎に隠されたテーマ性など、確かに評価されるのはうなずけます。
ただ、純粋に面白いかどうか?と己に問うと、まあそこそこの作品かなあ…なんて思うのです。
僕はたぶん、もっと分かりやすくて、おぞましい映像が続くようなのホラー映画が好きだからです。

以上!
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