ホラー映画「ミッドサマー」をAmazon Prime Videoで視聴しました。
本作は「へレディタリー 継承」のアリ・アスター監督の第二作目となる映画です。
正直、最初に観た感想は……

白いへレディタリーじゃねーか
という印象でした。
黒版が「へレディタリー」なら、白版は「ミッドサマー」という感じ。
カルト宗教、選ばれた王(王女)、生贄、トラウマ……
扱っている題材は違うけど、構造はけっこう似通っている気がするんですよね。
今回はそんな感じで語っていきたいと思います!
ホラー映画「ミッドサマー」あらすじ
アメリカの大学生グループが、留学生の故郷のスウェーデンの夏至祭へと招かれるが、のどかで魅力的に見えた村はキリスト教ではない古代北欧の異教を信仰するカルト的な共同体であることを知る。この村の夏至祭は普通の祝祭ではなく人身御供を求める儀式であり、白夜の明るさの中で、一行は村人たちによって追い詰められてゆく。(wikiより)
ホラー映画「ミッドサマー」トレーラー&キャスト
【脚本】アリ・アスター
【キャスト】フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー(英語版)、ヴィルヘルム・ブロングレン(スウェーデン語版)、ウィル・ポールター
ホラー映画「ミッドサマー」ネタバレ感想
ネタバレを含みますのでご注意を。
あくまでも僕個人の感想です。
そして、映画を観たあとに読むことをおすすめします。
まず作品の個人的評価をすると……

★★★★☆です。
面白かったけど、前作へレディタリーと比べてしまうと★4つ評価になってしまうかな…。
この映画も人によっては超胸糞映画として、二度と観たくない!という意見を多々見受けられます。
僕個人としてはそこまで胸糞には感じなかったし、

白夜世界……花の冠……美女のダンス……
楽しそうだなあ〜……
ほわあ………
みたいな感じでポーっとしながら飽きずに最後まで集中して楽しめました。
もちろん、祭りの最中に起きた「グシャッ」な出来事は、うわぁ…とドン引きしましたけども。
ミッドサマーのお祭りは実際に行われているのか?
スウェーデンは朝十時頃に外が明るくなってきて、昼過ぎの2時くらいにはもう日が暮れてきてしまうそうです。
しかし、時期によって日照時間がまったく変わってくるのです。
日照時間が20時間?!白夜の国スウェーデン
北ヨーロッパ、スカンジナビア半島に位置するスウェーデンでは、サマータイムに切り替わる3月後半から日照時間の長さを感じるようになります。スウェーデン北部では6・7月には白夜となり、ストックホルムでも夜の22時頃に夕日が沈み、朝4時頃には朝陽が昇ります。日照時間が長くなり始めると、近づく夏に心を躍らせるスウェーデンの人々は外で過ごす時間が増えていき、夏の休暇の計画を立て始めます。
(SCANIA GRIFF IN MAGAZINEより)
とこのように、日本では考えられない気候の中で生活を送っています。
そして、本作に登場するお祭りは…実在しません。
スウェーデンの国の広報が「この映画に出てくるお祭りなんてあるワケないでしょ」と否定したそうです。

いつか旅行する予定の方は安心してスウェーデン生活をお楽しみください。
(スウェーデンのお偉いさんもこの映画を観たと思うと、なんか笑えてきますね)
「ミッドサマー」はアリ・アスター監督の実話が元ネタ
実はこの映画、アリ・アスター監督の実話が元になっているそうです。
その時に付き合っていた恋人がいて、泣きながら落ち込むアリをちょっとだけ慰めてくれたらしい。
しかしその後、メンタルを落とし続けているアリへの対応が面倒臭くなってきたのか、距離を置かれて離れていってしまった。
重い問題に疲れてしまったとも言えるのかもしれないが、酷い話だなあと思うと同時に、面倒くさいなあ…と疲れてしまう恋人側の気持ちも分からないでもない。
人間は情深い生き物だが、ドライな面も持ち合わせている。
アリ・アスター監督はその辺の妙なリアルな感覚を、そのまま芸術映画にしてしまった。
それがこの「ミッドサマー」なのだと思いました。

二人の関係が上手くいってない不仲な感じがリアルなんですよねえ…
この映画はホラー、民族文化、そして恋愛映画でもある
スウェーデンのとある地域にまつわる、カルト宗教団体の文化的生活に触れてみた。というのが題材になっているのは観ての通りです。
世界には色んな文化や習慣があり、刺激的で興味深いものを感じさせてくれます。
フィクションとはいえ、この映画はそうゆう側面を見せてくれます。

踊りとか、食事のシーンが良かったですね
そして、晴れ晴れとした白夜世界で突如起こる不穏な出来事。
紐なしバンジーのグロいシーンや仲間がどんどん消し去られていく展開は、まさにホラー映画です。

頭が潰れたシーンをこれでもかと見せ付けてくるところに悪意を感じます
そして最後の要素として、ラブストーリーとしての側面です。
むしろこれが本質なのかもしれません。
主人公のダニーは家族問題でメンヘラ化し、恋人のクリスチャンに泣きつき、心の支えどころを求めます。
しかしクリスチャンはそんなダニーを疎ましく感じ、二人の関係は微妙に悪化しているところから話は始まります。

このクリスチャンが言ってることがコロコロ変わったり、メンヘラめんどくせ…みたいな冷たい部分があったり、ダメダメな男なんだけどけっこう自分もそうゆうところあるかもな…と思ってしまったりするんだよなあ
ダニーとクリスチャン一行が同級生ペレの故郷で異色の体験をし、ダニーは女王(メイクイーン)として選ばれ、クリスチャンは村の娘の種馬として選ばれます。
女王となったダニーには、祭りのフィニッシュを飾る「生贄選び」の選択権を与えられます。
あるタイミングでクリスチャンの性行為(お笑いコントシーン)を覗き見してしまい、完全に彼に対する愛を失ったダニーは、クリスチャンを生贄として選択。
こうして二人は離れ離れになるのですが、心に抱えていたストレスから開放され、浄化し、ダニーは笑顔を取り戻したのです。

ちょっと悪趣味ですが、そういった意味でのラブストーリーなのだと思います
他にも、ダニーの母親が突然フワリ…と眼の前に現れたり、色々と不思議なシーンも多く、他にも考察できそうな部分はあると思いますが今回のところはこの辺で。
ホラー映画「ミッドサマー」まとめ
最初にも書きましたが、この映画はへレディタリーを焼き直したのか?と思うほど構造が似ていました。
同じ監督脚本なのでそりゃそうだとは思いますけど。
話は同じだけどへレディタリーは真っ暗な夜の出来事で、ミッドサマーはずっと明るい日中の出来事。
こんな爽やかな世界でホラーを描けてしまうのが斬新で、衝撃的でした。
ただ、さすがに2時間半は冗長だと思うし、視聴後の気持ち(本でいう読後感)を無視して作られているような、投げっぱなしジャーマン的な感覚が残りました。

そういった意味で最高評価には至らなかったかなあ…と思います。
ちなみに、当ブログで今の所一番胸糞だと思う映画はこちらです。
ホラー映画「ミッドサマー」はアマプラで視聴できます。
もう一度観たい人も、まだ観ていない人もこちらからどうぞ!
ディレクターズカット版です!
DVD版はこちら!
ついでに読む? Twitterで漫画を公開中!
映画の感想ブログとは別に、Twitterで漫画をアップしています。
よろしければフォローお願いします!
Twitterに載せた絵日記漫画はこちらで読めます。
コメント