「私達はずっと一緒にいるのよ…」
台湾・日本合作ホラー映画「屍憶 -SHIOKU-」(原題:屍憶 THE BRIDE、2015年公開)』をAmazonPrimeで視聴しました!
アマゾンプライムでたまたま見つけて何気なく視聴したんですが、これがまあ面白かった!
中華特有の礼服など、キョンシー世代の自分にはグッとくるものがございましたよ。
以下、感想とネタバレあらすじになります。
「屍憶-SHIOKU-」あらすじ(ネタバレやや含む)
ハウはジョギング中に公園で赤い封筒を拾う。
すると左胸に身に覚えのない傷が現れる。
番組収録を通じて知り合った霊能者・占い師の玄真(シュエンヂエン)に、前世からずっと霊に取り憑かれていると指摘され、1930年に起きた「冥婚(めいこん)」にまつわる事件が関係していると知る。
一方、とつぜん霊能力に目覚めた女子高生のインインは、学校や自宅で霊障に遭うようになっていた。
インインの前に現れた亡霊は、ハウに関するある事件の真相を伝える。
ハウは1930年に起きた事件現場に行き、過去と現在が交錯し、自分の前世に何が起こったのかを知ってしまう。
予告動画・キャスト
プロデューサー●一瀨隆重『リング』『呪怨』『THE JUON/呪怨』
製作●リタ・チャン
撮影●チェン・チーウェン
編集●深沢佳文『呪怨-ザ・ファイナル-』
特殊効果●百嘉堂
特殊効果指導●松本肇『リング』『呪怨』
音楽●蓜島邦明『呪怨-ザ・ファイナル-』
キャスト●クリス・ウー、ニッキー・シエ、田中千絵、ベラ・イェン、アンドリュー・チェン、池端レイナ、ジャン・チンシャー ほか
「屍憶-SHIOKU-」感想(ネタバレ注意)
【個人的評価】★★★☆☆

★3.3くらいです!けっこう面白かった!
以下、ネタバレを含みますので観ていない人はご注意を!
よかったところ
後ほど詳しく解説しますが、「冥婚(めいこん)」という風習を題材としているのがとても面白いと思いました。
よくあるネタだけど、女の執念や嫉妬心が怨霊という形になって現れて来るというのはやっぱり恐ろしく感じますね。
「屍憶」は日本の古典怪談「牡丹灯籠」と本質は同じです。
古典怪談も中国文学から影響を受けているので、アジア人なら大体みんな恐怖ポイントが同じなんでしょうかね。
そして、Jホラーと台湾の独特な風習や空気感が上手くミックスされた、湿度の高い死臭が漂うような良質なホラー映画でした。
幽霊の演出などが、もろ「リング・呪怨」じゃん!って思っていたら、特殊効果や音響などに日本人スタッフが参加していたんですね。

幽霊のビジュアルは青白く、僕好みのヌッサヌッサした質感で、恐かっこよかったです!
気になったところ(ネタバレ超含む)
この映画は後半に一気に話が展開するどんでん返し系の作品なので、前半がどうしても冗長で退屈な内容になってしまっている感は否めないです。
それでも視聴者を飽きさせないように、ショッキングなシーンを挿入したり、工夫を取り入れているのは伝わってきた。
イーハンの遺体はずっと湯船に放置していたのだろうか?その場合、腐敗臭がとんでもないことになって、近所の人に通報されると思うのだが…。
あと後半クライマックス前、主人公ハウ(ハオ)の友人?のヒゲ男が、女子高生インインの家に突然やって来て、彼女を車で古い屋敷に連れていくのだが、なぜヒゲ男はインインの家に来たのか?
二人は赤の他人だったのでは?
なぜ住所を知っている?
「???」
そこが唐突すぎて理解できませんでした。

僕が何か見落としているだけかもしれませんが。
「屍憶-SHIOKU-」解説(結末ネタバレ含む)
「冥婚(めいこん)」とは
「台湾では紅包と呼ばれる赤い封筒が冥婚に使われる。本来紅包は現地でご祝儀のやり取りや餞別を入れて感謝を伝える用途で使われるものであるが、この風習の場合その意味合いは異なる。女性が未婚のまま亡くなると、道端に遺族が紅包を置く。通行人がそれを拾うとそれを監視していた遺族が出てきて、死者との結婚を強要される。そのため、安易に封筒を拾うことは危険であるとされる。結婚には死者が相手を気に入る必要があり、その有無は占いで判断される。封筒には現金や遺髪、死者の生前の写真などが入っている」
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
台湾では昔、女性が未婚のまま亡くなると先祖代々の墓に入れず、魂が強い怨念となりその場に留まってしまうと言われていた。
この怨念の呪いを防ぐために、死後49日以内に亡くなった娘と生きた男で「冥婚」を挙げなければならない。
新郎を決定する方法は、赤い封筒に亡くなった娘の髪の房や形見を入れてその辺に置いておき、それを拾った男が死者の新郎として選ばれる…というものである。
赤い封筒を拾ってしまった男性は、強制的に死んだ娘と挙式を挙げなければならないのだ。
死者と婚姻を挙げるという風習は台湾だけでなく、中国や韓国、日本、フランスにもあったらしい。
道端に赤い封筒が落ちていたら絶対に拾ってはならない。

そっち系の趣味があるのなら別ですが。…僕はありませんけど。
プールにいた女亡霊
学校のプールで死亡した女幽霊がインインの前に現れ、恐怖に陥れます。
結果、この幽霊はインインを襲おうとしているのではなく、自分の遺体が埋められた場所を知らせに来ていたということがわかる。

一瞬、この亡霊はストーリー上、何の関係があるんだ?と思いました。
要するにこのパートは「インインには幽霊が伝えたいメッセージを受け取る能力がある」という、今後の話の展開に必要な説明パートなのです。
このエピソードがあるから、殺された婚約者のイーハンが自分の最後を伝えるため、インインの家にやって来ていたという真実が明るみになります。
つまりインインの前に現れた犬、プール女、バスタブ女は、襲いに来ていたのではなく、何かのメッセージを伝えに来ていたというわけです。
最初から「私はここに埋まってます」「犯人はあいつです♡」とか、手紙でも書いて伝えればいいのに。
いちいち怖がらせながら現れるな!素直じゃねえなあ…とか言ったらもうホラー映画ではなくなって、ただのほのぼのコメディ映画になってしまいますが。
ちなみに、プール幽霊女は完全に笑かしにきていましたね。
あそこは呪怨チックな過剰な演出だったと思います。

こうゆうの好き。
「屍憶」の原案作品はこちら
2016第38屆金穗獎影展|《屍憶 (短版)》The Bride (Short)
謝庭菡監督のショート作品『屍憶』(2014年、台湾)です。
こちらはショート映画らしいですが、この映画が本作の原案となっているそうです。

観てみたいが字幕がないとわからん!
「屍憶-shioku-」はこちらで視聴しました
僕はAmazonprimeで視聴しました!
まだ観ていない、もう一度観てみたい!という人はこちらからどうぞ。

ちなみに、吹き替え版はないようです。
まとめ
- 「冥婚(めいこん)」という風習を題材にしたのは面白い
- 本質は古典怪談・牡丹灯籠と同じ
- 前半は冗長になっている感は否めない
- 原案は謝庭菡監督のショート作品『屍憶』だった
アジア映画特有の、湿度の高さみたいなものを肌に感じて、とても楽しめました。
新婦の着ている婚礼の服もデザインがカッコ良かったので、もう少したくさん見せて欲しかったです。
異国の文化が見えるような作品は観ていて面白いです。
またアジアホラー映画を観たらここに記そうと思います!
追記:台湾ホラー映画「怪怪怪怪物!」を視聴しました!
よろしければこちらもお勧めなのでどうぞどうぞ!
記事一覧はこちら
他にも感想記事を書いています!
ついでに読んでみる?
コメント
アマプラでこの映画を観ました。
面白かったです。
わからないところもあったので
こちらの記事を読み、納得しました。
高田さんが分からなかった部分ですが、
ヒゲ男は女子高生インインの家に行くのではなく、インインが霊に呼ばれハオの家を訪れていました。そこにタイミング良く(なぜ来たのだろう)ヒゲ男がハオの家に現れたのです。
興味深い面白い映画でした。
最近のホラー映画はグロいだけなので
こうゆうストーリーがしっかりしてる映画っていいですよね!
記事面白かったです。
ありがとうございます。
コメントに気付かず、返信遅れてすいません。
久々にこの記事を読み返して、どんな映画だったか思い出しました。
ヒゲ男の件、なるほど!
今になって理解できました!
そうゆうことか〜……
この映画はストーリーがしっかりしていて面白かったですよね。
ボクもグロいだけのホラー映画よりこうゆう映画の方が好きです!
コメント、ご指摘、ありがとうございました!
貴方も見えてますか?
Prime版で字幕版で、再生時間1:17:56で画面左側の木の所に白い顔が現れるのですが。
これは心霊でしょうか?そうではなくて演出の一つですか?
コメント遅れてすいません!
今さっきアマプラで視聴してみようとしたら、視聴期限が切れていて観ることができませんでした…!残念!
もしガチもんの心霊だったらヤバイですね…それ…!